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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻5号

2000年05月発行

文献概要

臨床報告

術中5-フルオロウラシル塗布併用線維柱帯切除術の成績

著者: 川添真理子1 沖波聡2 齋藤伊三雄2 松井淑江2 大野新治2 石郷岡均3

所属機関: 1佐賀社会保険病院眼科 2佐賀医科大学眼科学教室 3京都桂病院眼科

ページ範囲:P.993 - P.997

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 緑内障症例37例43眼に,術中5-フルオロウラシル(5-FU)塗布(50mg/ml,5分間)併用線維柱帯切除術を行い,その成績,併発症についてprospectiveに検討した。ハイリスク群26眼の術前眼圧は27.7±12.6mmHg,終診時眼圧は18.1±7.5mmHgで,ローリスク群17眼の術前眼圧は20.9±5.1mmHg,終診時眼圧は15.9±5.4mmHgであった。生命表法では,術後24か月で無治療で眼圧が20mmHg以下のものはハイリスク群で29.7±9.2%,ローリスク群で52.3±12.3%で,点眼治療を含めて眼圧が20mmHg以下のものはハイリスク群で53.9±9.8%,ローリスク群で63.6±16.6%であった。主な術後併発症は脈絡膜剥離23眼,点状表層角膜症16眼,低眼圧黄斑症7眼,晩期濾過胞漏孔1眼であった。術中5-FU塗布線維柱帯切除術はハイリスク群には不適当であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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