文献詳細
特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4)
原著
文献概要
(D−7PM−11) 正常人14例24眼,正常眼圧緑内障(NTG)15例24眼,原発開放隅角緑内障(POAG)25例39眼に対して,初回,6か月後,12か月後にNerve Fiber Analyzer GDxTMを用いて網膜神経線維層厚(RNFLT)を測定し,各パラメーターに関して検討を加えた。さらに,初回,12か月後にハンフリー自動視野計で視野を測定し,MD値を解析した。全群で6か月後に全てのパラメーターに有意差はなく,12か月後に有意差が認められたのは,NTG群でSup.Max, POAG群ではInf.Max,Inf.Ratio,Max.Mであった。MD値は正常人,POAG群ともに12か月後に有意差を示さず,NTG群では有意な低下を示した。早期緑内障群(MD≧−5.0dB)ではNTG群,POAG群間で初回のMD値に有意差はなく,早期POAG群のみで12か月後にInf.Ratio, Max, Mが有意差を示した。以上より,POAGでは視野障害の進行に先行して下象限のRNFLTが減少する可能性が示唆された。
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