icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

障害児・者の屈折異常の頻度

著者: 高橋広1 周正喜1 里村典子1 小坂美樹1 山城美和子1 久保真奈子2 玉谷晴代2 大賀真由美2

所属機関: 1産業医科大学眼科学教室 2北九州市立総合療育センター眼科

ページ範囲:P.1099 - P.1104

文献購入ページに移動
(G−7AM−6) 北九州市立総合療育センター眼科を受診した2,602名4,926眼を対象とし,ホマトロピン/シクロペントレート点眼後のレチノスコープによる他覚的屈折検査を施行し,±6D以上の高度遠視/近視および2D以上の乱視を屈折異常と判断し,その頻度を統計学的に検討した。
 全身障害を有しない群は734例(28%),全身障害を有する群が1,868例(72%)であった。全身障害を有しない群の屈折異常の頻度は26%で,全身障害を有する群では28%と,その発生頻度には差はなかった。先天異常群では42%に屈折異常があり,特にダウン症では46%と有意に高頻度であった(p<0.01)。また,後遺症群では30%で,脳性麻痺でも31%と有意に多かった(p<0.01)。未熟児は全対象の10%を占めており,特に未熟児網膜症発症群では屈折異常がすでに3歳までに多く,4歳以後に異常者が多い他の障害児・者とは異なっていた。以上より,障害児・者においても早期からの他覚的屈折検査は重要な検査であることが示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?