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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

先天眼振症例におけるアモバルビタール投与の社会的有用性

著者: 小山玲子1 内海隆1 奥英弘1 菅澤淳1

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1131 - P.1134

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(P−1-26) 先天眼振がある16,18,22歳の3名にアモバルビタール(5mg/kg)を点滴静注した。3名とも視力のよい眼での矯正視力は0.5であった。点滴後に全例で0.7以上の視力が少なくとも1眼で得られた。この結果から気持ちをコントロールすることを教え,自信を持たせたうえで,薬物を使用しないで数回の視力検査練習を行わせた。その結果,1名は運転免許取得に成功し,2名は入学試験に合格した。アモバルビタールによる眼振抑制効果は,脳幹網様体への作用と,感情に関係する視床下部を介する可能性が考えられた。精神的に緊張しやすい先天眼振患者に対するアモバルビタール投与は,このような意味で社会的有用性があると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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