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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4)

原著

散瞳薬による開放隅角緑内障の眼圧上昇

著者: 市岡伊久子1 市岡尚1 市岡博1

所属機関: 1市岡眼科

ページ範囲:P.1139 - P.1143

文献概要

(P−1-43) 開放隅角緑内障のトロピカミド,フェニレフリン合剤(ミドリンP®)点眼後の眼圧変化につき調査した。点眼1時間後の眼圧上昇は開放隅角緑内障眼2.6±2.7mmHg,嚢性緑内障眼2.7±2.0mmHg,偽落屑(PE)のない非緑内障眼0.1±1.5mmHg,PEのある非緑内障眼0.5±1.6mmHgで,開放隅角緑内障眼嚢性緑内障眼では有意に眼圧上昇をきたした(p<0.0001)(student-t検定)。4mmHg以上の眼圧上昇をきたした例は開放隅角緑内障40眼中14眼(35%),嚢性緑内障16眼中6眼(38%)と高率であった。開放隅角緑内障,嚢性緑内障において,散瞳検査を要する場合は注意が必要であり,最初に点眼後の眼圧測定をしておくべきだと思われた。また眼圧上昇例では,より注意深い経過観察を要すると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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