文献詳細
特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4)
原著
文献概要
(P−1-43) 開放隅角緑内障のトロピカミド,フェニレフリン合剤(ミドリンP®)点眼後の眼圧変化につき調査した。点眼1時間後の眼圧上昇は開放隅角緑内障眼2.6±2.7mmHg,嚢性緑内障眼2.7±2.0mmHg,偽落屑(PE)のない非緑内障眼0.1±1.5mmHg,PEのある非緑内障眼0.5±1.6mmHgで,開放隅角緑内障眼嚢性緑内障眼では有意に眼圧上昇をきたした(p<0.0001)(student-t検定)。4mmHg以上の眼圧上昇をきたした例は開放隅角緑内障40眼中14眼(35%),嚢性緑内障16眼中6眼(38%)と高率であった。開放隅角緑内障,嚢性緑内障において,散瞳検査を要する場合は注意が必要であり,最初に点眼後の眼圧測定をしておくべきだと思われた。また眼圧上昇例では,より注意深い経過観察を要すると思われた。
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