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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

線維柱帯部の炎症に続発したと思われる緑内障の1例

著者: 福井佳苗1 木内良明1 原周子1 石本一郎1

所属機関: 1国立大阪病院眼科

ページ範囲:P.1164 - P.1167

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(P−1-36) 線維柱帯部の炎症に続発したと思われる緑内障を経験した。症例は67歳,女性。初診時,結膜の充血や前房中の細胞やフレアはなかったが,隅角に白色結節とテント状虹彩前癒着を伴っていた。両眼とも軽度な皮質白内障があるものの,硝子体に混濁はなかった。緑内障様の視神経乳頭の陥凹があり,眼圧は両眼とも20mmHg以上あった。ステロイド薬を点眼するだけで眼圧は下降し,隅角結節も消退した。線維柱帯部の炎症が眼圧上昇の原因であると思われ,隅角結節の原因としてサルコイドーシスが示唆された。本症と開放隅角緑内障の鑑別診断のためには詳細な隅角の観察が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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