文献詳細
特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4)
原著
文献概要
(P−1-105) 52歳の男性の左眼に異物が飛入した。初診時視力は眼前10cm指数弁で,9時の角膜,虹彩,水晶体に異物刺入創,軽度の外傷性白内障を認めた。眼底は硝子体出血により詳細不明であったが,超音波検査,CT検査にて,視神経乳頭近傍の網膜上に鉄片と思われる異物を認めた。明らかな網膜剥離などは認められなかった。翌日,超音波水晶体乳化吸引術と眼内レンズ挿入,硝子体手術,眼内異物摘出術を行った。術中,乳頭部から黄斑上半分を含み,耳側中間周辺部に至る帯状の網膜動脈閉塞を認めた。術後,黄斑前膜の形成をみ,再手術にて除去し,固視点直下に暗点を認めるものの視力0.9を得た。
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