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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

強度近視に合併した黄斑円孔による網膜剥離眼の摘出網膜前膜の病理所見

著者: 森圭介1 樺澤昌1 米谷新1

所属機関: 1埼玉医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1199 - P.1203

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(P-1-114) 78歳の女性が,17か月前からの左眼視力低下で受診した。左眼の視力は,0.06×10.0Dであった。眼底には後部ぶどう腫とその範囲に一致する網膜剥離,黄斑円孔があった。手術中に除去した網膜前膜を除去し,病理的に検索した。ヘマトキシリン・エオジン染色では,主にエオジン好性の薄い線維絹織から成り,細胞成分を含んでいた。この線維成分を主体とする層は,Massonの膠原線維染色で膠原線維であると同定された。抗glial fibrillary acidic protein (GFAP)抗体による免疫組織化学染色で,細胞成分に富んだ層はGFAP陽性であった。以上の所見は特発性黄斑円孔のそれと同様であった。網膜前膜は硝子体膠原線維に由来し,網膜のグリア増殖で修飾されたと推定した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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