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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4)

原著

再生不良性貧血に伴う網膜前出血に対してNd-YAGレーザー治療が奏効した1例

著者: 大井真愛1 渡辺博1 忍田拓哉1 松橋正和1 田冶えりか1

所属機関: 1東邦大学医学部第一眼科学教室

ページ範囲:P.1205 - P.1209

文献概要

(P−2-18) 両眼の網膜前出血をきたした再生不良性貧血の32歳女性の片眼に対して,Nd-YAG laserhyaloidotomyを施行した1例を報告した。突然の感冒症状から重症の再生不良性貧血を発症し,まもなく両黄斑部網膜前出血により急激な視力低下を自覚した。早期の視力回復を期待し,ドレナージ効果を得られると判断した片眼にのみNd-YAG laser hyaloidotomyを施行した。自然経過をみた左眼が矯正視力(1.0)に改善するのに約3か月を要したのに対して,YAGレーザー治療をした右眼は3週間で(1.0)に改善した。治療眼の出血の吸収は明らかに早まった。両眼性の黄斑部網膜前出血の場合,精神的にも不穏が強くなり,出血の早期吸収が望まれる。Nd-YAG laser hyaloidotomyは侵襲の小さい有効な方法であると思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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