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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

悪性緑内障を生じた小眼球症の1例

著者: 森實祐基1 永山幹夫1 高須逸平1 山口樹一郎1 大月洋1 河西葉子2

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室 2香川県立中央病院眼科

ページ範囲:P.1230 - P.1234

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(P−2-60) 小眼球に慢性閉塞隅角緑内障を伴った症例に対して,両眼に白内障手術を行い,右眼にピロカルピンを点眼し,悪性緑内障を発症した24歳男性の1例を経験した。発症後早期にアトロピン点眼を行うことで前房深度は深くなり,眼圧は正常化した。しかし眼内レンズの瞳孔捕獲が起こり,左眼に比べ前房深度は浅いままとなった。本症例はピロカルピン点眼によって毛様体—水晶体嚢ブロックが起こり,悪性緑内障を発症したと考えられる。また右眼に用いたアクリル3ピースレンズが,左眼に用いたPMMA1ピースレンズに比べて瞳孔捕獲や浅前房を容易にしたと考えた。したがって悪性緑内障を念頭におくべき症例では,眼内レンズの選択が重要であるといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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