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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

特集 第53回日本臨床眼科学会講演集(4) 原著

網膜静脈分枝閉塞症の黄斑浮腫に対する柴苓湯の効果

著者: 岩下憲四郎1 山岸和矢1 弓削堅志1 高橋愛1 福井智恵子1 津村晶子1

所属機関: 1関西医科大学附属香里病院眼科

ページ範囲:P.1247 - P.1251

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(P−2-86) むくみ(浮腫)の改善に有用とされる柴苓湯を,網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫の症例に用い,その効果を検討した。対象は,1年以上経過観察できた柴苓湯(TJ114)を投与した投与群22例と投与しなかった非投与群29例である。柴苓湯の投与方法は,TJ114を毎食後3gずつ1日3回の服用とした。1年後の視力は,非投与群で55%が改善し21%に悪化がみられたのに対して,投与群では77%が改善し悪化はなかった。また,1年後の黄斑浮腫に関しては,非投与群で76%が改善,17%が不変,7%が悪化であったが,投与群では96%に改善が認められ,4%は不変であったが、悪化はなかった。従来の薬物療法および網膜光凝固療法では難治の症例に対して,柴苓湯の併用は有用と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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