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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻6号

2000年06月発行

文献概要

臨床報告

悪性リンパ腫によるparaneoplastic syndromeが疑われた外眼筋炎の1例

著者: 梅津秀夫1 馬場哲也1 野本浩之1 多田寛2

所属機関: 1姫路赤十字病院眼科 2姫路赤十字病院内科

ページ範囲:P.1282 - P.1286

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 悪性リンパ腫の患者に合併した両眼の外眼筋炎の1症例を報告した。症例は60歳女性で悪性リンパ腫で加療中,眼球突出,眼球運動障害が出現した。CTにて両眼の4直筋肥厚を認めたが眼球内や視神経への浸潤は認めなかった。そして,化学療法にて外眼筋の肥厚は消退し,症状も改善した。腫瘍細胞の外眼筋への直接浸潤では,片眼の単独筋への浸潤が多く,両眼へ浸潤している場合は眼窩,視神経,眼球内にも浸潤していることが多い。このため外眼筋の肥厚は悪性リンパ腫による遠隔効果,すなわちparaneoplastic syndromeであることが疑われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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