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連載 眼の組織・病理アトラス・165
らい
著者: 猪俣孟1 藤田晋吾
所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1318 - P.1319
文献購入ページに移動感染源は患者の上気道,鼻粘膜,皮膚病変である。らいに感染して発症までの潜伏期間は,短い場合で3か月,長い場合は10年以上,平均4〜5年といわれている。発症は個人の免疫状態に関係する。栄養や衛生状態が悪く,免疫不全の状態にある患者では,らい菌がマクロファージ内で無制限に増殖して腫瘤を形成する(図1〜3)。これをらい腫型lepromatous typeという。比較的細胞性免疫が強い患者では,炎症細胞の浸潤を伴い類結節型tuberculoid typeになる。その中間の免疫応答を示すものを境界型borderline typeとする。らい菌に対する免疫応答を規定するする遺伝子としてHLA-DR2が報告されている。
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