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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻7号

2000年07月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・165

らい

著者: 猪俣孟1 藤田晋吾

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1318 - P.1319

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 らいleprosyまたはハンセン病Hansen diseaseは,らい菌Mycobacterium lepraeによって起こる感染症である。らい菌は強い抗酸性を示すグラム陽性の桿菌で,アジア,アフリカ,中南米などの発展途上国に広く蔓延し,全世界で約1,500万人の患者がいると推定されている。男性患者が女性の2〜3倍である。
 感染源は患者の上気道,鼻粘膜,皮膚病変である。らいに感染して発症までの潜伏期間は,短い場合で3か月,長い場合は10年以上,平均4〜5年といわれている。発症は個人の免疫状態に関係する。栄養や衛生状態が悪く,免疫不全の状態にある患者では,らい菌がマクロファージ内で無制限に増殖して腫瘤を形成する(図1〜3)。これをらい腫型lepromatous typeという。比較的細胞性免疫が強い患者では,炎症細胞の浸潤を伴い類結節型tuberculoid typeになる。その中間の免疫応答を示すものを境界型borderline typeとする。らい菌に対する免疫応答を規定するする遺伝子としてHLA-DR2が報告されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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