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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻7号

2000年07月発行

文献概要

臨床報告

涙腺原発の粘表皮癌の1例

著者: 木村久理1 阿部俊明1 所敏広1 玉井信1 後藤邦彦2

所属機関: 1東北大学医学部眼科学教室 2東北大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.1339 - P.1343

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 66歳男性が3か月前からの右眼球突出と複視で受診した。11年前に脳梗塞,3年前に胃癌手術の既往があり,11年前から右眼窩内の占拠性病変が発見されている。画像診断で,右眼窩の上外側部に境界明瞭な腫瘤があった。腫瘤は眼窩の上外側壁に広く接し,骨浸潤が疑われるCT所見があり,眼球を圧迫していた。複視と眼球突出が悪化し,眼窩内容除去術を行った。組織学的には腫瘍は粘表皮癌であり,涙腺由来であると推定された。摘出した腫瘍塊の断端に腫瘍細胞があったために,化学療法と放射線照射を行い,以後6か月間,再発はない。粘表皮癌は緩徐に発育し,組織型によっては予後不良であるので,今後の長期観察が必要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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