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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻8号

2000年08月発行

やさしい目で きびしい目で・8

『若い時には1冊でよいから本を隅からすみまで読もう』

著者: 湯沢美都子1

所属機関: 1駿河台日本大学病院眼科

ページ範囲:P.1477 - P.1477

文献概要

 私が黄斑疾患を学びたいと思ったのは,20歳代後半に1冊の本を隅からすみまで読んで,面白いと感じたからである。本の名前は『Stereoscopic Atlas of the Macular Diseases』,Gass JDMによって書かれた,世界の名著である。当時私はオランダのナイメーヘン大学のドイトマン教授の所へ行くことが決まっていて,そこで黄斑疾患について学ぶことになっていたが,黄斑ジストロフィ以外の黄斑疾患について何も知らなかった。これでは恥をかくと思い,しぶしぶ2か月かけてその本を隅からすみまで読んだ。読み終わると,多彩に見える黄斑疾患の類似点と相違点が漠然とではあるが理解でき,フルオレセイン蛍光造影の読みと当時の黄斑疾患の治療方針の法則が,しっかり頭にこびりついていた。
 一般の眼科医としての知識は,朝倉書店から出ていた三島済一先生と植村恭夫先生が編集された『最新眼科学』を読んだ。これは隅からすみまでというわけにはいかなかったが,名著であり,私の一般眼科の基礎知識はこの本から得られたと思っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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