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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻8号

2000年08月発行

文献概要

臨床報告

糖尿病網膜症に対する硝子体手術後の視力低下要因

著者: 坂本泰二1 藤澤公彦1 川野庸一1 岡田豊和1 西岡木綿子1 石橋達朗1 猪俣孟1 絹川直子1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究科眼科学教室・九州大学医学部医療情報部

ページ範囲:P.1491 - P.1498

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 過去41か月間に硝子体手術を行った増殖糖尿病網膜症150眼を検索した。術後の観察期間は平均20か月であった。術後視力は,51眼(34%)で改善維持され,70眼(47%)でいったん向上した後に低下し,17眼(11%)で術前と変わらず,13眼(8%)で低下した。術後視力が良好な症例は平均年齢が低く,発症年齢が低かった。視力が改善維持された症例は術後のHbA1c値が低かった。視力が不変または低下した症例では.虹彩ルベオーシスと黄斑剥離の頻度が高かった。視力がいったん向上した後に低下した症例は,視力不変群よりも血中ヘマトクリットとヘモグロビン値が高く,トリグリセリド値が低かった。視力が不変または低下した症例では,その他の群よりも虹彩ルベオーシス,硝子体出血,綱膜剥離などの合併症が多かった。視力改善群といったん向上した後に低下した群とでは,術前の乳頭または後極部の線維増殖(p=0.001)と術後の黄斑変性(p=0.02)に有意差があった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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