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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻8号

2000年08月発行

文献概要

臨床報告

視神経網膜炎を伴った猫ひっかき病の1例

著者: 石田貴美子1 猪俣孟1 藤原恵理子2 山名敏子2

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室 2国家公務員共済組合連合会浜の町病院眼科

ページ範囲:P.1503 - P.1507

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 猫4匹を飼育している17歳女性に発熱と頭痛が突発した。第8病日に左側頸部リンパ節が有痛性に腫脹した。第26病日に左眼に霧視が生じ,第39病日に当科を受診した。矯正視力は右1.2,左0.3であった。左眼に盲点の拡大と視野狭窄があった。左眼底に視神経乳頭の発赤腫脹,漿液性網膜剥離,白色滲出斑の散在があった。Bartonella henselaeの血清抗体値の上昇があり,猫ひっかき病と診断した。プレドニゾロンの全身投与を行い,眼底所見は軽快し,第63病日には左眼視力は1.0に改善した。網脈絡膜瘢痕と視野狭窄が残った。猫ひっかき病による網脈絡膜炎の予後は良好とされているが,視野狭窄が持続する事例があることを本症例は示している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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