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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻9号

2000年09月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

網脈絡膜炎が先駆した亜急性硬化性全脳炎

著者: 後藤温子1 宮川真一1 宮嶋聖也1 根木昭1 友田明美2 三池輝久2

所属機関: 1熊本大学医学部眼科学教室 2熊本大学医学部発達小児科学教室

ページ範囲:P.1549 - P.1553

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 8歳男児が右眼の黄斑変性で紹介された。矯正視力は右0.2,左1.2であった。その21か月後に左眼の黄斑部と周辺部に滲出斑と血管炎が生じたが,1か月で消炎し,黄斑部は右眼に酷似する瘢痕病巣になった。この頃から軽度の健忘症状が現れ,続いてミオクローヌス様不随意運動と意識消失発作が生じた。髄液のPCR解析で麻疹ウイルスが検出され,亜急性硬化性全脳炎と診断された。亜急性硬化性全脳炎では,精神神経症状の出現以前に,特徴的な網脈絡膜炎が先駆することがあることを示す1例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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