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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻9号

2000年09月発行

文献概要

臨床報告

光干渉断層計で網膜神経線維層変化が観察された前部虚血性視神経症の1例

著者: 田中剛1 石田為久1 岡田由香1 雑賀司珠也1 吉富健志1 大西克尚1

所属機関: 1和歌山県立医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.1583 - P.1587

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 57歳女性に左眼の上方視野欠損が突発し,その6日後に受診した。矯正視力は右1.0,左0.05であった。左眼の視神経乳頭は境界不鮮明で蒼白浮腫状であり,その下方の網膜に出血斑と動脈の狭細化があった。蛍光造影所見などから,左眼の前部虚血性視神経症と診断した。発症9日目の光干渉断層計による検索で,左眼の神経線維層厚が乳頭下方では増加し,上方では菲薄していた。発症68日目には,神経線維層厚が乳頭の全周で著しく菲薄化していた。その後,菲薄化はやや回復したが,最終視力は0.02であった。前部虚血性視神経症では,早期から神経線維層の異常が生じることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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