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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科54巻9号

2000年09月発行

文献概要

臨床報告

向精神病薬の長期投与により発症したと考えられる水晶体,角膜混濁の1例

著者: 角田雅宏13 阿部俊明2 玉井信2

所属機関: 1公立深谷病院眼科 2東北大学医学部眼科学教室 3いわき市立総合磐城共立病院眼科

ページ範囲:P.1589 - P.1592

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 58歳の女性が,両眼周囲の痒みで受診した。20歳の頃から精神分裂病があり,フェノチアジン製剤,プロムペリドール,カルバマゼピン,塩酸メチキセンの4種を10年以上前から服用していた。軽度の眼瞼炎があり,矯正視力は両眼とも1.0以上であった。両眼の角膜後面にびまん性の黄白色の色素沈看があり,水晶体内部に黄白色の細粉が散在していた。角膜浮腫はなく,角膜内皮細胞密度は正常値であった。向精神薬の長期投与によって,視力障害を伴わない角膜と水晶体に色素沈着が生じうることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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