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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻1号

2001年01月発行

文献概要

臨床報告

再発性多発性軟骨炎に視神経腫脹を伴った1例

著者: 田村寛1 宮澤大輔1 川本未知2 後藤さおり3 近藤武久1

所属機関: 1神戸市立中央市民病院眼科 2神戸市立中央民病院神経内科 3神戸市立中央市民病院免疫内科

ページ範囲:P.109 - P.114

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 62歳男性が耳介の腫脹,手背の疼痛と両眼球結膜の浮腫を伴い近医眼科を受診した。浅前房,前房炎症と視神経腫脹が出現し,頭痛,めまいも伴うようになり当院に紹介された,MRI上は視神経炎や強膜炎を疑わせる所見に乏しく,視野と視力の障害が軽度であつた。再発性多発性軟骨炎と診断し,ステロイドパルス療法を施行した。他の症状は改善したが,視神経腫脹が残存したためシクロフォスファミドを併用し,有効であった。さらにステロイドへの反応性が低かったこともあり,この症例の視神経腫脹は,再発性多発性軟骨炎に合併するとされている視神経炎以外に,強膜篩板や視神経鞘内膜の不整による脳脊髄液のうっ滞などの病態が関与している可能性が高いと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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