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特集 EBM確立に向けての治療ガイド 序文
EBM構築の第一歩となることを願って
著者: 西田輝夫1
所属機関: 1山口大学医学部分子感知医科学講座眼科学
ページ範囲:P.6 - P.7
文献購入ページに移動 医学が“Art and science”であるとよくいわれています。Artは個人の資質に依存し一代限りの伝承できない秘伝の部分があることは否めませんが,scienceには時空を超えて常に再現性があることが求められます。私たちが教育を受け実践している医療は,その大半がscienceとしての医学の進歩に依存しています。また,病気で苦しんでいる人々に対して本当に必要なのは,どの医師が行ってもある一定の成績を期待できる,しかも高度なレベルの医療です。医師個人の一代での力で医学や医療が築き上げられてきたのではありません。先人たちの努力と葛藤と反省のなかから,私たちが今日行っている医療が築き上げられてきました。一人一人の医師の経験を集約することも人切ですし,同じ時代を生きている医師同士の知識の交換とともに次の世代への知恵の継承をも行わねばなりません。同僚や次の世代の医師に私たちが手に入れた知恵を分け合い,伝承することが大切です。
近年Evidence-Based Medicine (EBM)という概念が強調されてきています。豊富な知識と経験を持っておられる医師は,当たり前のこととして個人のデータベースに基づいてEBMを何気なく実践しています。それらの個人的なデータベースを,社会としてより大きなより信頼できるデータベースとして構築し,患者も医師もすべての人々がこれらの知識を共有できるシステムを構築しようとするものです。
近年Evidence-Based Medicine (EBM)という概念が強調されてきています。豊富な知識と経験を持っておられる医師は,当たり前のこととして個人のデータベースに基づいてEBMを何気なく実践しています。それらの個人的なデータベースを,社会としてより大きなより信頼できるデータベースとして構築し,患者も医師もすべての人々がこれらの知識を共有できるシステムを構築しようとするものです。
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