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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻10号

2001年09月発行

文献概要

特集 EBM確立に向けての治療ガイド ぶどう膜疾患

はじめに—ぶどう膜疾患のEBM

著者: 内尾英一1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター眼科

ページ範囲:P.152 - P.153

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ぶどう膜疾患治療におけるエビデンスの実際
 ぶどう膜疾患の大部分はいわゆるぶどう膜炎であり,本邦ではベーチェット病,原田病およびサルコイドーシスの3大内因性ぶどう膜炎をはじめとして,多数の疾患が知られている。ぶどう膜炎は眼内炎などの感染性のものを除くと原因不明であるものがほとんどで,治療の主体は薬物治療による内科的治療である。シクロスポリンやタクロリムスをはじめとする免疫抑制薬の開発によって治療成績には進歩がみられ,数多くの臨床研究や基礎研究も報告されている。本章ではぶどう膜疾患の治療をステロイド薬,免疫抑制薬および手術治療の観点からEBMの応用の現状とその問題点について,それぞれの専門のエキスパートに論じていただいた。
 一般にはエビデンスとしては通常文献を用いるが,その研究の証明力は,他の章でも述べられているように,ランダム化比較試験>コホート研究>症例対照研究>症例報告の順に強く,特に治療の有効性の評価としては実際にはランダム化比較試験でなければならないとされている。しかし,ぶどう膜炎の治療の報告としてはランダム化比較試験によるものは疾患の重症度が高いことや,症例数が確保しにくいことなどから極めて少ない1)。文献で治療成績が報告されているものの多くはコホート研究である2〜4)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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