icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻10号

2001年09月発行

文献概要

特集 EBM確立に向けての治療ガイド ぶどう膜疾患

ぶどう膜炎免疫抑制薬治療のEBM

著者: 中村聡1 石原麻美1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.164 - P.171

文献購入ページに移動
ぶどう膜炎と免疫
 免疫応答とは,微生物をはじめとする環境からの侵襲(非自己の抗原)を排除する目的で起こる一連の生体反応であり,個体が生存するために不可欠な反応である。しかしこの反応はときに過剰に働き,自身に害を及ぼす場合がある。眼科領域においてぶどう膜炎は免疫応答の亢進によって引き起こされる疾患の代表であり,治療にあたっては,現時点で選択できる免疫抑制薬の効果と副作用を十分理解している必要がある。
 現在臨床の場で用いられている主な免疫抑制薬として,プリン代謝拮抗物質であるアザチオプリン(イムラン),6—メルカプトプリン,ブレディニン(ミゾリビン),細胞毒(アルキル化薬)であるシクロフォスファミド(エンドキサン),あるいはいわゆるイムノフィリンリガンドのシクロスポリン(サンディミュン)などがある。いずれも副作用や管理の難しさを考えると,原因不明の難治性網膜ぶどう膜炎や,重篤な眼発作を頻発するベーチェット病のような症例にその適応があり,日常的に用いられるものではない。以下にシクロフォスファミドとシクロスポリンの特徴と使用法,使用上の注意について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?