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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻10号

2001年09月発行

文献概要

特集 EBM確立に向けての治療ガイド 神経眼科

虚血性視神経症治療のEBM

著者: 三村治1

所属機関: 1兵庫医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.274 - P.282

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はじめに
 虚血性視神経症(ischemic optic neuropa—thy:ION)には,病初期から視神経乳頭に変化のみられる前部虚血性視神経症(anterior ION:AION)と,初期には乳頭に変化のみられない後部虚血性視神経症(posterior ION:PION)の2つのタイプがある1)。AIONは乳頭を栄養する後毛様動脈の急性の虚血によるものであるが,PIONにはそのように明確に特定できる動脈はなく,むしろ全身的な貧血や血液灌流低下によることが多い。また,この両者のうちで圧倒的に多数を占めるAIONは,その病因から巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis)による動脈炎性ION (arteritic AION:A-AION)と,動脈炎には起因しない非動脈炎性ION (nonarteritic AION:NA—AION)に分類される1)。AIONはいったん発症すれば重症となるものが多く,また僚眼(反対眼)にも高率にAIONを発症することなどから,古くから予後不良と考えられてきたが,最近視力に関しては一定の比率で改善することが相次いで報告されている。したがって,種々の治療法が真に有効かどうかのevi—denceは,この視力の白然経過と比してどの程度改善をみるかということになる。
 また日本ではAIONの中でもNA-AIONが大多数を占めるが,NA-AIONとA-AIONは発症機序だけでなく治療の上でも大きく異なるので,以下に個別にその治療法を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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