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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻11号

2001年10月発行

文献概要

臨床報告

ぶどう膜炎に合併した眼内新生血管

著者: 河原澄枝1 宮本裕子1 森村佳弘1 岡田アナベルあやめ1 樋田哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1735 - P.1741

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 眼内新生血管を合併したぶどう膜炎の3症例を経験した。それぞれ原田病,ベーチェット病,結核性ぶどう膜炎である。原田病では,後極部の漿液性網膜剥離と脈絡膜剥離,乳頭浮腫,乳頭上新生血管があり,大量ステロイド療法で新生血管は徐々に縮小した。ベーチェット病では,網膜と乳頭上に新生血管があり,ステロイド薬の局所投与と免疫抑制薬で消炎し,新生血管は退縮した。結核性ぶどう膜炎では,抗結核療法とステロイド薬内服で眼内炎が沈静化し,新生血管は縮小傾向を示した。原田病と結核性ぶどう膜炎の2例には経過中に網膜の無血管領域にレーザー光凝固を行ったが,これによる炎症再燃はなかった。ぶどう膜炎に併発した眼内新生血管が,原疾患の消炎で退縮することを示した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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