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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻11号

2001年10月発行

文献概要

臨床報告

眼球摘出後15年目に全身転移が見つかった脈絡膜悪性黒色腫

著者: 椎名慶子1 田中稔1 清川正敏1 長谷川弘2 住幸治2 石和久3

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科 2順天堂大学浦安病院放射線科 3順天堂大学浦安病院検査科

ページ範囲:P.1789 - P.1793

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 62歳女性が右眼視野狭窄で受診した。右眼は30か月前に他医で眼底上方の網膜変性と診断されていた。初診時の矯正視力は右1.2であり,水晶体後面に達する色素性腫瘍があり,網膜剥離を伴っていた。眼球摘出を拒否されたが,腫瘍は増大し,初診から4か月後に右眼を摘出した。腫瘍径は15×15mmであった。術前の諸検査で全身転移はなかった。腫瘍の病理組織診断は悪性黒色腫で,Callender分類のspindle typeであった。以後毎年,全身の検索を続けたが,眼球摘出から15年後に肝と骨盤に転移が発見された。肝生検で黒色腫の転移と判日月した。その後現在まで2年間,化学療法を行っている。脈絡膜悪性黒色腫では長期間の経過観察が必要であることを示す症例であり,全身転移の発見にはI123—IMPシンチグラフィが有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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