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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

臨床報告 カラー臨床報告

黄斑部手術におけるインドシアニングリーン染色

著者: 岡部泰史1 豊田英治1 白神史雄2 岡野内俊雄2 弓山真矢2 山本敏広2 大月洋2

所属機関: 1呉共済病院眼科 2岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1840 - P.1844

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 黄斑円孔10眼と黄斑上膜4眼への硝子体手術中に,黄斑部綱膜の内面を0.5%インドシアニングリーン溶液(ICG)で染色した。染色された膜を採取し,透過型電子顕微鏡で検索した。さらに,術中に観察された染色の程度と採取した膜の病理組織学的所見とを比較した。黄斑円孔第2, 3, 4期のうち7眼の黄斑部網膜の表面はICGで均一で良好に染色された。第3, 4期の残りの3眼と黄斑上膜の4例すべてで,黄斑部網膜の表面はICGにより不均一に染色されるか,染色性が不良であった。病理組織学的には,良好に染色された膜には内境界膜のみがあり,染色性が不良な膜には内境界膜上に細胞増殖があるか,または細胞性増殖膜のみがあった。ICGによる網膜内面の染色は,術中に内境界膜や網膜上の増殖膜を同定するのに有用である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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