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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

臨床報告

陳旧性外傷性低眼圧黄斑症1例の視機能と術後回復

著者: 布佳久12 谷川篤宏1 加地秀1 寺崎浩子1 三宅養三1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科学教室 2山口大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1853 - P.1857

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 43歳女性が左眼視力低下で受診した。13か月前に飛入した石で左眼が受傷した。左眼矯正視力は0.7,眼圧は7mmHgであり,部分的毛様体解離があった。左眼は陳旧性低眼圧黄斑症の所見を呈した。全視野ERGは正常であったが,黄斑部局所ERGは,a波,b波,律動様小波がいずれも健眼の約50%に低下し,頂点潜時が延長していた。これらの所見から,黄斑部の視細胞レベルに機能障害があることが推定された。強膜短縮術により眼圧は正常化し,矯正視力は1.2に回復し,電気生理学的所見の左右差がほぼ消失した。外科的治療により,陳旧化した低眼圧黄斑症での視機能が回復しうることを示す症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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