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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

臨床報告

サルコイドーシスぶどう膜炎での結膜生検の有用性

著者: 原田幸子1 佐々木洋1 甲田倫子1 阿久津行永2 佐々木一之1

所属機関: 1金沢医科大学眼科学教室 2阿久津医院眼科

ページ範囲:P.1865 - P.1869

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 初診時に眼科臨床所見からサルコイドーシスぶどう膜炎が疑われ結膜生検を行った34例62眼を対象に,結膜生検の有用性を検討した。最終診断での内訳は臨床診断群(A群)が19例,サルコイドーシスが疑われたが臨床診断群の基準を満たさなかった症例(B群)8例,サルコイドーシス以外のぶどう膜炎の確診例(C群)7例であった。生検標本は点眼麻酔後,下結膜円蓋部中央付近の結膜を約2×4mm切除した結膜片を用いた。陽性率はA群58%,B群,C群は0%であった。隅角結節,豚脂様角膜後面沈着物がある症例,発症早期でステロイド未使用例は生検陽性率が高い傾向があった。結膜生検は,サルコイドーシスの組織学的診断には有用であり,初診時に他の侵襲の大きい生検に先んじて施行するべきことを改めて提唱したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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