icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻12号

2001年11月発行

文献概要

臨床報告

涙小管炎9例の検討

著者: 中村靖子1 福田昌彦1 国吉一樹1 下村嘉一1 前野知子2 古田格3

所属機関: 1近畿大学医学部眼科学教室 2近畿大学医学部中央臨床検査部 3近畿大学医学部臨床病理学教室

ページ範囲:P.1907 - P.1910

文献購入ページに移動
 過去22か月間の涙小管炎の自検例9例を検索した。男性4例,女性5例であり,いずれも片眼性であり,左右差ないし上下差はなかった。罹病期間は4日から2年(平均205±266日),経過観察期間は3か月から13か月(平均8.2±3.8か月)であった。菌塊のグラム染色で,全例にグラム陽性桿菌が検出され,分枝のある糸状菌の集積が6例にあった。嫌気培養で8眼に菌が発育した。主な内訳は,Propionibacterium Propionicus 4株と,Actinomyces israelii 3株であった。涙小管内の菌塊の除去,抗菌薬による涙嚢洗浄,抗生物質の点眼で全例に治癒が得られた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?