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臨床報告
文献概要
球結膜下出血131例につき,球結膜下出血と緑内障との関係を検索した。健康診断を受けた正常者125名を対照とした。緑内障の判定は,閉塞隅角緑内障については眼圧,暗室うつむき試験,隅角所見,開放隅角緑内障については負荷試験などを含む眼圧,視野経乳頭陥凹,視野に基づいて行った。球結膜下出血群では,14例が緑内障,23例が緑内障疑診と判定され,対照群では,1例が緑内障,8例が緑内障疑診と判定された。両群での頻度には有意差があった(p<0.001)。球結膜下出血群では,初発者よりも再発者の緑内障有病率が有意に高かった(p<0.001)。緑内障有病率は,咳,便秘,目をこするなどの誘因で起こった者よりも,特発的に起こった者で有意に高かった(p<0.02)。以上の結果から,球結膜下出血と緑内障の間には高い関連があると結論される。
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