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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

臨床報告

硝子体手術と術中汎網膜光凝固で網膜復位と虹彩新生血管の消退を得た成人Coats病の1例

著者: 櫻田規全1 白尾裕1 棚橋俊郎2

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科脳医科学専攻脳病態学講座光情報伝達学 2小松市民病院眼科

ページ範囲:P.1973 - P.1976

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 61歳女性が左眼視力障害で受診した。6年前に眼底出血と広範な網膜滲出斑が発見された。矯正視力は1.5であったが当科受診時には0.1に低下していた。左眼虹彩に新生血管,後極部眼底に多量の網膜下滲出物と索状物,滲出性網膜剥離,周辺部網膜に血管拡張と牽引性網膜剥離があった。成人性Coats病と診断した。硝子体手術で網膜を復位させ,術中に汎網膜光凝固を行った。術後,滲出性網膜剥離はほとんど消失し,虹彩新生血管は消退した。以後15か月間,再発はない。硝子体手術による網膜復位と術中汎網膜光凝固が,牽引性網膜剥離などのために経瞳孔的網膜光凝固が不可能なCoats病に奏効した症例である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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