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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻13号

2001年12月発行

文献概要

臨床報告

眼窩腫瘍摘出における前方アプローチ法の検討

著者: 高村浩1 山下英俊1

所属機関: 1山形大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1987 - P.1993

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 過去14年間に摘出手術または生検を行った原発性眼窩腫瘍35例を検索し,前方アプローチ法による腫瘍の完全摘出の可能性を検討した。アプローチの経路は,前方16例,側方3例,経頭蓋4例,経上顎洞1例であり,生検のみが11例であった。前方アプローチ法による完全摘出率は81%で,生検を除いた摘出術24例すべてでの完全摘出率は79%であった。前方アプローチ法の術後合併症は,眼瞼下垂1例と再発1例のみであった。前方アプローチ法で完全摘出が期待できる腫瘍の条件は,(1)皮膚上から触知できること,(2)後端が眼窩先端部まで進展していないこと,(3)被膜に覆われていて浸潤性でないこと,(4)周囲組織との癒着が強くないことであった。前方アプローチ法は術後合併症の頻度が低く,適応の選択と手術操作に注意すれば積極的に行ってよい術式であると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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