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後発白内障の成因と対策
著者: 林研1
所属機関: 1林眼科病院
ページ範囲:P.129 - P.133
文献購入ページに移動 後発白内障は,水晶体核と皮質を除去したときに起こる,水晶体上皮細胞による創傷治癒と再生過程である。後発白内障は,従来から①後嚢線維化,②Elschnig pearls,③Soemmering's ring形成の3つに大別されていたが,continuous capsulorhexisが標準となった現在では,臨床的に④前嚢線維化と,さらに新しく⑤液状後発白内障も問題となってきた。しかし,①と④は嚢線維化という一連の創傷治癒反応であるし,②と③は水晶体線維の再生過程なので,基本的には2種類の組織反応とみなされる。⑤はいまだに原因が確定せず分類できない。一方,後発白内障が後嚢中央に及び視機能を障害する場合を後嚢混濁と呼ぶ。このように厳密には“後発白内障”は病理学的な用語であり,“後嚢混濁”は臨床的な用語である。
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