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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻2号

2001年02月発行

臨床報告 カラー臨床報告

網膜色素上皮剥離型の加齢黄斑変性の光干渉断層計像

著者: 佐藤拓1 飯田知弘1 萩村徳一1 須藤勝也1

所属機関: 1群馬大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.152 - P.157

文献概要

 網膜色素上皮剥離(retinal pigment epithelium detachment:PED)を主病変とする加齢黄斑変性31例31眼を光干渉断層計(Optical coherence tomography:OCT)で観察した。OCT上,PEDは網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)による高反射層のドーム状隆起としてみられ,RPE下腔は低反射域を示した。31眼中20眼で,脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)の部位では隆起したRPE層がくびれて「空間的notch sign」を示し,PEDの隆起は二峰性のドーム状に観察された。31眼中11眼で,CNVに一致して,剥離したRPE後面には高反射帯が接していた。この高反射帯の後方では脈絡膜の反射は減衰し,暗くなっていた。PEDを伴った加齢黄斑変性では,Gassの示した平面的なnotch signだけでなく,OCTでは三次元的にも「空間的notch sign」が存在し,これはCNVによりRPEとブルッフ膜とが癒着している像と考えられた。断層像でみられる[空間的notchsign」はCNVを示す所見として診断価値があると結論された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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