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臨床報告
文献概要
シートベルト着用下でのエアバッグ作動による眼外傷を2例経験した。症例1は助手席にいた62歳の男性。左眼は角膜内皮障害,虹彩離断,水晶体脱臼,硝子体出血,外傷性黄斑円孔を生じており緊急に手術した。術後,矯正視力は右眼1.2,左眼0.05であった。症例2は運転手の62歳,男性。左眼の角膜びらん,角膜内皮障害,網膜振盪,黄斑浮腫を認めた。受傷後1か月の左眼矯正視力は0.9であった。2例とも左眼のほうが右眼より障害が高度であり,また角膜内皮障害が強かった。エアバッグ眼外傷の予後は比較的に良好のことが多いが,症例1のように視力改善が不十分となる場合もある。今後,衝突安全装置のさらなる改善が望まれる。
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