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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻2号

2001年02月発行

文献概要

臨床報告

1年以上遷延したがその後の治療予後良好であった真菌性眼内炎の1例

著者: 南野桂三1 山田晴彦1 西村哲哉1 松村美代1 田中一巨2

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2大阪市立総合医療センター眼科

ページ範囲:P.193 - P.198

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 真菌性眼内炎が1年以上遷延したが,治療後の視力予後が良好であった1例を経験した。症例は74歳男性で,約1年前に悪性リンパ腫で腫瘍切除と化学療法を受け,寛解していた。司時期に右眼霧視を自覚,近医でぶどう膜炎を指摘され,ステロイド薬の全身ならびに局所投与を受けた。改善しないため当院眼科を紹介され入院となった。リンパ腫の再発を疑い,全身検索を行ったが診断に至らず,硝子体手術を施行した。切除硝子体の培養でCandida albicansが検出され,抗真菌薬を投与したところ著明な視力の改善をみた。ステロイド抵抗性のぶどう膜炎では,真菌性眼内炎も考えて経過に注意する必要がある。硝子体手術が診断,治療に有効であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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