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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻3号

2001年03月発行

文献概要

連載 眼の組織・病理アトラス・173

硝子体

著者: 猪俣孟1

所属機関: 1九州大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.252 - P.253

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 硝子体vitreousは,水晶体,網膜,毛様体で囲まれた部位に存在する透明でゲル状構造の組織で,眼球全体の80%の容積を占める。硝子体の90%以上は水分である。眼球壁に近い部分は皮質cortexと呼ばれ,線維成分,細胞および糖蛋白に富む。とくに網膜面の硝子体は線維成分が濃厚である。線維成分はⅡ型コラーゲンを主体とし,それにⅤ型,Ⅵ型,Ⅹ型コラーゲンが含まれている。硝子体細胞hyalocyteは主として網膜に近い皮質に存在し,ヒアルロン酸を産生する。また貧食能を有し,眼球内の病変に際して,網膜や毛様体に出入りする。硝子体細胞は網膜の血管と関連して存在するミクログリアmicrogliaもこの細胞と関係し,単核球を起源としたマクロファージの一種と考えられる。
 硝子体は発生学的に次の三部からなる(図1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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