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特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(1) 原著
虹彩腫瘍によって発見された肺腺癌の1例
著者: 山本亜紀1 滝昌弘1
所属機関: 1常滑市民病院眼科
ページ範囲:P.303 - P.306
文献購入ページに移動 79歳の男性が左眼眼痛で受診した。左眼虹彩毛様体炎と診断,治療し,眼痛は消失した。受診から4週後に,白色の隆起性病変が左眼虹彩に発見された。全身検査で右肺野部に4×5cmの腫瘤が発見され,肺癌が疑われた。左眼の腫瘍は急速に増大し,高眼圧が持続したので,眼球摘出を行った。虹彩腫瘍は腺癌であり,肺癌からの転移と診断した。抗癌剤の全身投与を行ったが,脳転移が続発し,初診から5か月後に死亡した。保存的療法を行っても転移性虹彩腫瘍が続発緑内障になり,眼球摘出が必要になることを示す症例である。
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