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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻3号

2001年03月発行

文献概要

臨床報告

黄斑前膜の硝子体手術に影響する因子の検討

著者: 川端紀穂1 田中稔1 邱彗1 清川正敏1 安藤雅子1 竹林宏1

所属機関: 1順天堂大学浦安病院眼科

ページ範囲:P.371 - P.376

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 1991年11月から1999年4月までの期間に,黄斑前膜症例に行った硝子体手術の成績を術前後の視力変化,自覚症状の存在期間,膜の性状,蛍光漏出の有無などの因子について比較した。対象は硝子体手術を施行し,手術後6か月以上経過観察できた特発性黄斑前膜35例37眼,続発性黄斑前膜20例20眼の計55例57眼である。統計学的に有意差はみられなかったが,術前視力が良好で自覚症状のある期間が明らかに短いもののほうが,術後視力は良好であった。膜の性状では,セロファン状のもの,さらに術前の蛍光眼底検査で,網膜からの蛍光漏出のない症例のほうが視力改善が良好であった。本症に対する手術の適応については,術前視力は0.4もしくはそれ以上で,膜の混濁する前で蛍光漏出のない症例に対しての,いわゆる早期手術によってよりよい術後視力が得られるものと思われた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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