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文献概要
ヘルペス属ウイルスによる眼感染症についての臨床面での最近の話題を概説する。角膜ヘルペスについては大規模な多施設二重盲検の臨床研究が米国でなされ,ステロイド点眼併用の有効性やアシクロビル内服による再発予防の効果が確かめられている。また,一方で,cidofovir点眼やphosphonoformic acid点眼などの新たな抗ヘルペス点眼薬,あるいはribonucleotide reductase inhibitorという全く新しい機序の抗ヘルペス薬も考案されてきている。後眼部ではHSV2型による桐沢型ぶどう膜炎や,最近のAIDS患者の免疫能の著明な改善に伴い,サイトメガロウイルス網膜炎に続発して認められるようになったimmune recovery vitritisが話題となっている。
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