文献詳細
特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)
原著
文献概要
自然寛解がみられた第1期黄斑円孔4例6眼の自然寛解前後での経時的変化を光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)を用いて観察した。初診時,3眼で後部硝子体皮質の中心窩での接着がみられ,中心窩は1眼が嚢胞,2眼が肥厚を示した。他の3眼ではすでに中心窩硝子体剥離(vitreofoveal separation:VFS)が生じており,中心窩は2眼が嚢胞,1眼は網膜剥離を示した。平均8.6か月の経過中,硝子体接着のあった3眼もVFSを生じ,最終的にこれら6眼すべてが中心窩の陥凹を復活した。自然寛解により2段階以上視力が向上したのは5眼(83%),不変は1眼(17%)であった。OCTで硝子体皮質と中心窩の状態を観察することができ,予後の判定に有益であった。
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