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特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)
原著
文献概要
後部ぶどう腫のある強度近視に発症した網膜剥離5例5眼を検索した。黄斑円孔がある3眼,円孔がない1眼,黄斑バックルで円孔閉鎖後に網膜剥離が再発した1眼である。細隙灯顕微鏡検査では5眼とも後部硝子体剥離はなかった。光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)では,黄斑円孔のある3眼中2眼で薄く剥離した硝子体皮質が円孔の縁に接着しており,1眼では硝子体皮質が同定できなかったが,網膜に接着した硝子体皮質を術中に確認できた。円孔のない1眼では,中心窩周囲に硝子体剥離が生じるとともに網膜剥離が拡大した。黄斑バックル例では,薄く剥離した硝子体皮質が網膜を挙上していた。強度近視眼の網膜剥離では、硝子体皮質のトランポリン様の剥離による前後方向の牽引が作用していると考えられる。
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