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特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)
原著
文献概要
テルソン症候群により高度の視力低下を起こした5例8眼に対して比較的早期に硝子体手術を施行した。硝子体切除後,内境界膜下に黄白色化した出血塊が認められた6眼については,内境界膜とともに除去した。全例において白内障同時手術は行わなかった。術中術後を通して黄斑上膜,黄斑円孔,網膜剥離といった合併症は認められず,全例で著明な視力改善を認めた。テルソン症候群に対して比較的早期に硝子体手術を施行することにより,良好な術後視力が得られる可能性が示唆された。特に両眼発症者においては,早期に視力回復することによる日常生活レベルの改善,職場への早期復帰も期待できると思われる。
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