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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

原田病の超音波生体顕微鏡所見

著者: 網野憲太郎12 谷原秀信2

所属機関: 1網野眼科医院 2天理よろづ相談所病院眼科

ページ範囲:P.469 - P.472

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 原田病患者4例8眼の前眼部を超音波生体顕微鏡で観察した。2例は発症から2日,2例は推定1か月であり,3例6眼の後極部に漿液性網膜剥離があった。全8眼に毛様体から赤道部に及ぶ脈絡膜上腔に液体の貯留があった。平均前房深度は初診時2.04±0.35,治療終了後2.61±0.12mmと有意に増大した(p<0.01)。ステロイド薬治療で全例が軽快したが,視力回復後も脈絡膜上腔の液体貯留が長期間持続していた。2症例では初診時に近視化があり,治療により改善した。超音波生体顕微鏡による脈絡膜上腔の貯留液の観察は,原田病の治療効果の判定と,ステロイド薬減量の指標として有用である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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