文献詳細
特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)
原著
文献概要
前極部前嚢下アトピー白内障9例9眼で,前嚢を手術により採取し,水晶体上皮細胞を検索した。年齢は24〜46歳,平均28.8歳である。検索には実体顕微鏡と走査電子顕微鏡を用いた。水晶体上皮細胞は混濁部位,これを囲む混濁部位周辺,透明部位とに分けて検討した。混濁部位周辺では水晶体上皮細胞の面積は混濁部位の面積と強く相関し(r=0.97),年齢とは相関しなかった。透明部位では水晶体上皮細胞面積が年齢と強く相関した(r=0.87)。前極部アトピー白内障での上皮細胞障害が前極部混濁部位の面積に大きく影響されることを示す所見である。
掲載誌情報