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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

化学療法が奏効した転移性脈絡膜腫瘍における腫瘍周囲の血流変化

著者: 奥野高司1 杉山哲也1 喜田照代1 田聖花1 池田恒彦1 吉原正晴2 岩本伸二3 野原丈裕3 谷川允彦3

所属機関: 1大阪医科大学眼科学教室 2吉原眼科医院 3大阪医科大学一般・消化器外科

ページ範囲:P.504 - P.508

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 62歳女性の乳癌からの転移性脈絡膜腫瘍において,腫瘍とその周囲の血流変化をレーザースペックル法で測定した。腫瘍は右眼黄斑部の上方にあり,大きさは6乳頭径で,矯正視力は1.0であった。腫瘍の耳側に血流が豊富な領域があつた。化学療法で腫瘍は縮小し平坦化した。化学療法終了後に腫瘍が再発したが,再び他の化学療法で平坦化した。視力は再発時に0.15に低下したが,0.6まで改善した。化学療法終了後,腫瘍とその耳側の血流は治療前よりも日月らかに減少し,当初あった耳側の血流豊富な領域は消失した。左眼の血流は全経過中ほぼ不変であった。レーザースペックル法は,転移性脈絡膜腫瘍周囲の血流変化と治療効果の判定に有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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