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特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2)
原著
文献概要
緑内障35名54眼につき,視野を含む諸所見の変化を平均5.3年間追跡した。嚢性緑内障を含む原発開放隅角緑内障23眼,慢性閉塞隅角緑内障8眼,正常眼圧緑内障23眼である。視野検査にはハンフリー静的視野30-2プログラムを用い,mean deviation (MD)とcorrected pattern standard deviation (CPSD)を検索した。正常眼圧緑内障ではMDが有意に低く(p<0.01),CPSDが有意に高かった(p<0.001)。原発開放隅角緑内障と慢性閉塞隅角緑内障では,MDとCPSDは眼圧と視神経乳頭陥凹の進行に相関しなかった。正常眼圧緑内障では,3眼を除き,眼圧が13mmHg以上の例に視野が進行する傾向があり,MDの低下とCPSD上昇とに相関した(p<0.05,p<0.01)。MD値が—5dB以下,またはCPSDが6dB以上の正常眼圧緑内障では,眼圧を13mmHg以下に維持すべきであると結論される。
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