icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科55巻4号

2001年04月発行

文献概要

特集 第54回日本臨床眼科学会講演集(2) 原著

ハイドロジェル眼内レンズ挿入眼の前房フレア値上昇

著者: 花崎秀敏1

所属機関: 1花崎眼科医院

ページ範囲:P.561 - P.564

文献購入ページに移動
 3か月間に白内障手術と眼内レンズ(intraocular lens:IOL)挿入術を59眼に行った。ハイロドジェルIOL (H60M, Storz社)を43眼,S140NB (Allergan社)を16眼に挿入した。年齢と性別について、両群間に有意差はなかった。術後3か月間の経過を追跡した。術後の矯正視力と角膜内皮細胞密度について,両群間に有意差はなかった。術翌日の前房フレア値の平均値は両群で上昇したが,H60M群でのそれはS140NB群よりも有意に高かった(t<0.05)。前群43眼中11眼ではフレア値が50を超え,うち4眼では100以上であり,2眼でフィブリン反応が生じた。これら11眼では,特定の2つのロットのIOLが関与していた。術前のフレア値が高い症例で術後のフレア値上昇が強かった。術後1週以降では,両群間に前房フレア値には差がなかった。ハイロドジェルIOL挿入後には一過性の前房フレアの上昇がありうることと,術前のフレア値が高い症例では挿入を回避すべきであると結論される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?